少し前の話になってしまいますが、2014年8月21日から8月25日までスイスで開かれた世界経済フォーラムGlobal Shapers CommunityのAnnul Curator Meeting(年次代表者会議:ACM)に参加してきました!
グローバルシェイパーコミュニティーとは、ダボス会議の名前で知られている世界経済フォーラムの20代のメンバーで構成される組織(選出時に20代であれば、33歳まで在籍可能)で、世界に約350ハブ、4500人のメンバーがいます。私は、2012年に東京ハブのメンバーに選ばれ、2014年に日本で5つ目となる福岡ハブが立ち上がるタイミングで、代表代行として福岡ハブに転属しました(創設者・代表は高島宗一郎福岡市長です)。今回のACMには世界各国から各ハブの代表が300人ほど参加しました。
初日の午前中は、スカベンジャーハント(街中に散りばめられたヒントを集めて、チームで問題を解くゲーム)をしました。全シェイパーが約10名ずつのチームに分けられて、数時間かけて街を走り回りながら、一つ一つのミッションをクリアしていきます。全部で36チームに分かれたので、みんな相手チームよりも早くクリアしようと必死に競争しました。この時間、リーダーだけはスカベンジャーハントには参加せずに別の場所で、打ち合わせをしていました。
午後は工作です。全チームで一つの街を作ります。午前中にリーダーが話し合って分担を決めていました。ここで、スカベンジャーハントをしていたメンバーは驚きます。各チームが午前中に獲得したスコアは一切公開されずに、全チームの合計スコアだけが公開されました。そして、そのスコア分の材料をシェアするように言われました。スカベンジャーハントをしている時は、相手より高いスコアを取れるように頑張っていたメンバーは拍子抜けです。自分たちのスコアすら発表されなかったのです。「競い合っていると思っていた敵が、本当は同じ資源を共有している仲間だった。これは現実の世界でも同じはずだ。」というメッセージだと気がついた私たちはお互いのチームを支え合いながら、分担の工作を進めました。
不思議なものです。運営側から勝手に分けられたチームで、もともと仲が良かったわけでも、人種や地域に共通点があるわけでもありません。その上、競争だと事前に言われてもいないのに、ゲームが始まったら自然と相手の事を変えずに自分の事ばかりを考えてしまうのです。自分たちの利益を最優先にせずに、一緒に協力していれば更に高得点が狙えて、多くの資源が利用できたというわけです。現実に当てはめてみても、地球の資源は限られています。我々は地球を共有している仲間なのだ、という強いメッセージを感じました。本当に色々と考えさせられたアクティビティでした。
翌日は、世界経済フォーラムの本部にて組織運営のアドバイスやコミュニティー運営ルールの再確認など、基本的な事務手続きを学びました。細かい規則や他国のハブ運営方法などを知れて良かったです。
グローバルシェイパーの一つの特徴として、グローバルに繋がって世界規模の問題を考える事を目的としながらも、同時に地域の問題解決も行うためにプロジェクトを立ち上げる必要があります。例えば、東京ハブは若者がより輝ける社会を作るプロジェクトRe-Generationを実施しています。福岡もこれから新しいプロジェクトを立ち上げるというタイミングだったので、各ハブで成功しているプロジェクトについての発表を聞く機会は大変貴重でした。
そして何より、みんな踊ったり騒いだりするのが本当に大好き!短い休憩時間でもアカペラでダンスが始まって会場が盛り上がるノリ!メリハリがあるのは素晴らしいことですね!
三日目はフランスまでバスで2時間ほどかけて行って、シャモニーで登山をしました。正直、大勢が参加するイベントだし、登山って言ってもピクニックくらいのレベルかと思ったら、かなり険しい道を登らされて驚きました!ゴールした時はハーフマラソン終えたくらいの達成感がありました!
山の上に湖があって、本当に綺麗で気持ちよかったです!ちょうどアイスバケツチャレンジが流行っている時期だったので、下着になって飛び込む人が多くて驚きました(写真は自粛)!
今回のACMの中で最も印象的だったのは、東アジアのシェイパーだけ集められて行った別枠の会議です。特に何も言われないまま、日本、中国、韓国のシェイパーだけが別室に呼び出されて、シュワブ会長が現れました。東アジアでは領土問題を中心に政治的緊張状態が続いているので、その話が始まるのかと思ったらシュワブ会長の幼少期の話でした。昔、シュワブ会長が子供の頃は、ドイツとフランスは歴史的な背景からお互いにいがみ合っていたそうです。しかし、シュワブ会長は毎週のように両国を行き来し、お互いの懸け橋になれるように活動をされたそうです。彼はそれ以上語りませんでした。私たちに仲良くしろとも、何かしろとも言いません。しかし、自然とシェイパー同士で、これからは関わりを深めましょうという話し合いになりました。現在の東アジアの情勢は認識だけで解決できるものではありません。感情だけではなく、利害関係が絡んでいるからです。しかし、若い世代から交流を続ける事は確実に意味のある事だと思います。
約300都市からU33(一部、ファウンダーとして年齢が高い人も参加していましたが)のメンバーが一堂に集まって、大きな一つの目標に向かって交流する場は素晴らしいものでした。よくThink Global, Act Localと言われていますが、私も改めて自分の担うべき役割を自覚し、頑張ろうと思いました。
スケジュールをまとめると、以下の通り。最終日は、仕事の都合で参加せずに早期帰国しました。最後まで参加できずに残念でしたが、とても良い経験でした。
21日:前夜祭
22日:スカベンジャーハント、工作、パーティー@President Wilson hotel
23日:講習会、パーティー@世界経済フォーラム本部
24日:登山@Chamonix、パーティー@世界経済フォーラム本部
25日:早退(みんなはボランティア活動やらお別れパーティーなど楽しんだようです)