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【映画レビュー】『エール!』(2014)

明日、10月31日からエール!が全国ロードショーされます。私は今年の6月にフランス映画祭2015にて会社のメンバーと一緒に鑑賞しました。

両親と弟がろう者で、家族の中で唯一の聴者(CODA)であるポーラ。気になる男の子と同じ授業を取りたいという軽い気持ちで歌を習い始めてから、音楽の才能を開花させ、プロの歌手を目指し始める。しかし、ポーラを他の家族は冷たく突き放す。そんな彼女が、家族のために取った行動とは……。

弊社の手話TVの今井ディレクターがブログで似た事を書いていましたが、本作品は一言でいうならば「ろう者を扱った聴者のための映画」です。
これは悪い意味ではないです。聴者が見る事で学ぶ事も多いと思いますし、ストーリーも感動できる内容だったと思います。フランス手話はわからないので、正しいかはわかりませんが、手話の動きにも不自然さはありませんでした。短期間で身につけたとは思えない手話だったと思います。それに、弟役(ろう)のLuca Gelbergさんは本物のろう者だそうです。
しかし、本当のろうの世界感を表したとはいえない描写が随所に感じられました。結末も果たして本当に聾文化を理解していたら違う結末になっていたのではないかと思います。
映画としての完成度は極めて高いと思います。飽きることなくストーリーが展開されます。聴者が十分に楽しめる内容なのではないかなと思います(ただし、ろう者が楽しむことはあまりできない気がします)。

監督:エリック・ラルティゴ
出演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ
2014年/フランス/105分/DCP/ビスタ/5.1ch
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム

フジテレビのオンラインTV『ホウドウキョク』に出演しました!

Ashoka Japanの紹介で、フジテレビが今年の4月に開設したオンラインTV『ホウドウキョク』の「ニュースのキモ!Afternoon」に出演しました。私が出演したのは「ビジネスのキモ」というコーナーで30分に渡りシュアールの事業を紹介させて頂きました。
編集されたのではなくスタジオでの生放送だったので、事業の内容をわかりやすく説明できるか不安でしたが、司会者の戸部洋子アナとシニアコメンテーターの鈴木款さんのリードのおかげで、素晴らしい内容になったと思います!
一人でも多くの人に、手話の正しい理解が広まり、遠隔手話通訳の存在を知って頂きたいと思います。このような貴重な機会を頂けた事を嬉しく思います。

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いつまでアーカイブが公開され続けるのかわかりませんが、以下のURLより私が出演した「ビジネスのキモ」を見る事が出来ます。ちょっと長いですが、是非ご覧ください!
http://www.houdoukyoku.jp/pc/archive_play/00082015100801/7/

【映画レビュー】『ザ・トライブ』(2014)

カンヌ国際映画祭2014批評家週間3冠を達成した、全編手話で字幕も吹き替えもない、異質な映画『ザ・トライブ』が本日、日本でも公開されます!私は仕事の関係で公開前に鑑賞しましたが、一言で言うなら「手話映画の次の時代の幕開け」だと思いました。

主人公の少年の変化を描いたストーリー展開、場面展開を減らし手話をカットしない撮影手法、そして何より全編ウクライナ手話という不思議な空間…。全てが私を映画の世界に引き込みました。

ちなみに、手話は世界共通ではないので日本手話の通訳士である私が観ても、手話を全く知らない人と同程度の理解度です。それでも十分にストーリーは追えますし、内容は理解できました。手話が全く分からないという方も是非!

NHK特集番組アンコール放送決定!4/4と4/10!!

昨年の9月28日(日)と10月3日(金)にNHK Eテレ『ろうを生きる 難聴を生きる』で特集されたシュアールの回が、4月4日(土)20:45~21:00と4月10日(金)の12:45~13:00にてアンコール放送される事が決定しました!
アンコール放送なので少し古い内容になってはしまいますが、弊社の遠隔手話事業についてわかりやすく編集して頂いています。

前回の放送時にシュアールを知らなかった方も、見逃してしまった方も、内容を忘れてしまったという方も、是非ともご覧下さい!15分番組ですので長くはありません。土曜日の夜と平日の昼なので見られない方も多いと思いますが、そういった方は是非とも録画を!!

今回の放送から番組の放送時間が変更になるそうです。今まで番組をよく見ていた方は時間変更に気を付けて下さい!

また、今回のアンコール放送の一つ前の回で取り上げられていた藤田保医師は学生の時にインタビューで大変にお世話になった方。元気そうなお顔を拝見できて嬉しかったです!またお会いする事を楽しみにしています!

Googleロゴが手話(指文字)に!「日本初の手話考案者」古河太四郎生誕170周年記念!

本日、Googleのトップページのロゴが手話になりました。記念日や祭日に合わせてグーグルのロゴを変えるGoogle Doodleの活動で、現在の日本手話の原型を作ったと言われている古河太四郎氏の生誕170周年を記念しての事だそうです。実は私も個人的に少しだけ制作をお手伝いさせて頂きました。

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古河太四郎氏は、1878年(明治11年)に日本で最初のろう学校(かつ最初の盲学校)である京都盲唖院を設立し、院長にも就任した人です。「日本初の手話考案者」とも呼ばれています。今から100年以上前に手話教育に着目し、手話の教授法を確立しただけではなく、学校まで創業するとは本当に凄いですよね!
京都盲唖院を退任後は私立大阪盲唖院の院長にも就任され、1907年に亡くなられるまで生涯にわたり、ろう教育・手話教育のために活動された素晴らしい方です。私にとっては、手話界の大大大大先輩です!

今回のロゴには、2つの異なる種類の手話表現が使われています。まずは古河太四郎氏が最初に考案した「手勢(しかた)法」でGoogleを表したもの、そして二つ目が現代の手話(正確には指文字)でグーグルを表したものです。かなり違う事に驚きますね。
私も以前にTEDxTokyoでスピーチをさせて頂きましたが、手話も音声言語と同じで、独立した言語ですから、国によって文法も語彙も全く違いますし、時代と共に移り変わっていきます。もちろん方言だってあるのです。


ロゴの現在版の手話表現は手の向きに若干の違和感がありますが、ロゴとしての表現なので仕方ないですね!背景には、古河氏が手話と同じくらい精力的に活動されていた盲の学生向けに発明した木版が並べられていて、古河氏の想いがたくさん詰まったロゴになっていると思います。Googleさん、NICEです!!

検索後のページ右上にある、小さい方のロゴも手話バージョンで、指文字が付いています。とても可愛らしいですね。ほのぼのします。是非そちらにも注目して見て下さい!
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最近、色々な場所で手話が取り上げられるようになったので、本当に嬉しいです!これからも手話ビジネスを広げると同時に、手話の認知度を上がるお手伝いも出来ればと思っています!!